CAS~人を幸せにする仕事~

またまた「カンブリア宮殿」からの話題です。
 
常識をくつがえす冷凍技術「CAS」を、ご存知でしたか?
 
普通の冷凍は、細胞が壊れてしまうので、物の味が変わってしまいます。
 
ところが「CAS」は、なんと、細胞をいかしたまま凍らせ、保存することができる!だからもちろん味が変わりません。食べ物だけでなく、生き物の内臓も丸ごと冷凍して保存できるので、初めて卵巣移植も成功。
 
CASは世界で絶賛され、開発した方は、尊敬の念を込めて「ミスター・フリーズ」と呼ばれています。
 
こんなすごい技術を開発した方は、どれほど勉強をたくさんした科学者かと思えば、なんと、高卒の、大和田哲男さん。
 
大和田さんは、お父さんの経営する、厨房機器メーカーに入り、ずぶのしろうとなのに、職人について勉強しました。
 
そんな中、生クリームを冷凍する機械が求められていることを知り、世界で初めての開発に成功。人々から驚かれました。
 
さらに、フランスの一流シェフから、「肉や魚もそのまま保存できるものを」と頼まれ
ました。うっかりなま返事をして、後に引けなくなって、CASを開発に取り組むことになったんだそう。
 
大和田さん曰く、「プロほど、あきらめが早い。ものづくりは、失敗のなかからうまれてきます。開発は、かえって素人がやるほうが、広くものをみられるかもしれない。」
 
だけど、あきらめなかった本当の理由は、「たくさんの人を幸せにしたい」という一念だったようです。
 
その思いが宿ったきっかけは、「新鮮さとは何か」と知りたくて、食べ物を作っている現場、つまりいなかを歩き回ったときのことでした。
 
農業、漁業の方の平均年収が100万円以下という事実を知り、ショックを受けて、「生産者が家族を養える収入にしたい!」という夢を持つようになりました。それからは、途中で投げ出すということがなくなったのです。「いなかをよみがえらせたい!」の一念で実験を繰り返しました。
 
今、大和田さんの夢が、日本各地で実りつつあります。
 
いままで、離島では、新鮮な魚をとっても、輸送中に古くなってしまうので、売れませんでした。
 
ところが、たとえばCASセンターを作った島根県の過疎の島海土町では、急に漁業が活性化して、仕事が増えました。結果、以前に島を出た若者たちが150人も帰ってきました。
 
それだけでなく、さらなる奇跡が!田舎暮らしにあこがれる都会の会社員が、家族ごと、島に移り住んでくるといったケースがではじめました。移住者が5年で250人、なんと、島の人口の1割にもなったそう。
 
この調子で、CASセンターが各地にできれば、日本の食糧自給率も高まっていきますね。つまり、日本を救うことになります!
 
大和田さんはいいます、「夢を持ってほしい。人間が生きていく中で、夢を持つことが一番大切だと思います。夢を持てば、必ずその夢に近づいていきます。」「”幸せ”という言葉が大事。人の幸せを作る仕事を続けていくことです。」
 
ところで、世界一のアロエの会社、フォーエバーの創始者レックス・マーンも、「世界中の人に、幸せになるチャンスをあげたい」と夢見て会社を作ったと、聞いたことがあります。
 
 
成功のキーワードは、「夢」そして、「たくさんの人の幸せ」なのですね(*^_^*)。