幸福学・夫婦編(第1講)~後編~
私はもともと几帳面で悲観的。反対に妻が楽観的です。子供の時、恥ずかしくて学校で手もあげられなかったくらいなのです。それが、こんなことをできているのは、妻のパートナーシップのおかげです。だから、2が特別なもの。これが、1、3、4を育てるのです。でも逆もあります。1、3、4を頑張ると、2が育ちます。
当初、私は利他性が低かったのです。「学生は俺の研究のため働け!」ぐらいの気持ちでした。でも子供ができて、「可愛い」と思うと、他人の子も、学生も可愛くなったのです。人の人生はこの4つの因子を高めていく旅だと言えます。
まどか:
子供が生まれた時、夫は「可愛い」と言いました。そして「学生も子供と同じぐらい可愛い」と言ったので、その頃未熟だった私は、なんだかショックでした。そして、「こんな先生に教えてもらえる学生はいいな」と思いました。
「キャノンをやめて転職していいかな」と聞かれ、「あなたの人生だからいいじゃない」と前向きに答えたのですが、内心は、「キャノンから住宅ローン借りているし・・・」と思いました(笑)
夫が指導の先生に叱られ続けて悩んでいる時も、「あなたなら大丈夫、なんとかなる」と毎日言っていました。今思えば、幸せの4つの因子をやっていたのですね。
前野:
外人の先生はフェイスブックで、「自分の美しい妻が」などと、どんどん言います。日本人は妻のことを人前で褒めたりしない。もともと人前で笑うのを控える文化でした。細かいことが気になる、悲観的な文化です。だからこそ、世界に誇れる素晴らしい車を作れたのです。
「4つの因子」はアンケートの統計を処理して出てきたもの。でも、昔から当たり前のことが、科学的にわかっただけ、とも言えます。子供の頃から言われていたことかもしれないですね。
4つとも高い人が幸せ。看護師など、2番の利他が高くて他が低い人は、バーンアウトになりやすいのです。自分のことが希薄になりすぎているから。例えば、震災のボランティアに行って鬱の人を助けていて、自分も鬱になった人がいます。鬱はうつる。不幸はうつる。幸せもうつる。
ベンチャー企業の社長で、1、3、4があるが利他性がないような人もいます。そうなると人間関係が悪く孤立して、結局、幸せじゃない。4番だけ高くても孤立して、孤独になるし、人を攻撃します。ドラえもんに出てくるジャイアンタイプ。そういう人は、根底は、自分に自信がないのです。自信がないと、攻撃型か、落ち込むかのどちらかになります。
自分の欠点と思っていることも良さだったりします。
例) 内向的は悪い人じゃなく、コツコツやる人。
一番幸せな人は、「いいところも悪いところもあるけれどパートナーと一緒にやっていけば大丈夫」と思っている人でしょう。前野夫妻は「幸せオーラが出てる」と言われます。妻はもともと、ネガティブな言葉を使いません。実は全ての会話はポジティブな言葉で言えます。
お互いが違うからこそ受け入れて、幸せを目指すのですね。異文化を受け入れないと、テロ、戦争になります。
あるご夫婦の参加者の妻:
その夫:
前野:
私は、ワークシートの真ん中の上、「パートナーとの理想の未来」は、まさに「今死んでもいい境地」と書きたかったのです。それが参加者の方の口から出たのが凄いです。自分も、今死んでもいいほど幸せを感じています。
まどか:
子供が小さい時、夫は遺書を持って歩いていたんです。「今が幸せで生き切っているから、もし自分が不慮の事故で死んでも、みんな幸せに生きてくれ。」と書いてあるのを見てはじめビックリしたのですが、あとで、これはいいことだと感じられるようになり、安心しました。
前野:
今でも遺書は持ち歩いてますよ。別に自殺願望じゃない(笑)
渡辺:
前野夫婦は天然物の幸せ夫婦。私たち夫婦は養殖物の幸せ夫婦(笑)
前野:
私は「妻を愛するように世界の人を愛する」と宣言しました。だから、皆さん、愛してます!!