幸福学(前編)


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今、いくつもの企業が、「社員の幸せ」について、本気で考え始めている。
 
先日、たくさんの社長さんたちから慕われている、名経営者のお話を伺うチャンスがあった。
その方の会社は車の販売会社で、顧客満足度が長年トップ。
売上もぐんぐん右肩上がり。
 
その方いわく・・・
 
一番大切なことは、社員の「幸せ」を目指すこと!
次に、お客様と、取引のある会社と、地域の「幸せ」を目指すこと。
 
そうすれば、みんな生きがいを持って働くので、売上やシェアもついてくる。


 
◆でも、そもそも「幸せ」って何?

なんと、それについても、もう仮説が用意している方がいた! 
慶応の大学院で、「幸福学」を教えていらっしゃる、前野隆司教授。
 
先生は、元キャノンのエンジニアだった。
モノづくりを通して、人の幸せに貢献しようとされた。
でもしっくりしなくて、ダイレクトに「幸せ」を考える、今の研究に。

 
◆前野先生いわく、幸せには「長続きするもの」と、「しないもの」とがある。
 
長続きしないものは・・・カネ、モノ、社会的地位
これを、地位財」といい、人とくらべて満足するものだ。
 
じゃあ、幸せが長続きするものは? 
健康、自主性、自由、愛情、さらに、社会への帰属意識、良質な環境
これは、「非地位財と呼び、人と比べることなく幸せが感じられるものだ。

しかし人は、目の前の「地位財」、カネ、モノ、地位、にばかり飛びつきがち。

冒頭に書いた名経営者は、その辺のことを話してくださった。
「非地位財」を目指せば、みんなが幸せになり、結果、会社の実績も上向くよ、と教えてくださったのだった。
 

◆また、お金は自分のために使うより、人のために使う方が、より幸せ感が強くなるという実験もあるそうだ。
 
20ドルのお金を渡し、Aグループの人には「自分のために使ってください」と言い、Bグループの人には「他人のために使ってください」と言う。結果、Bの方が幸せ感が強かった)
 
心からでなくて構わない。
偽善でいいから、人のために使うと、結構簡単に幸せになれるとか。
これは凄い実験結果だと思う!
 

◆また、もう一つ、驚く統計が!
ノーベル賞受賞の行動学者ダニエル・カーネマン教授の研究だ。
 
それによれば、・・・
年収が上がると幸せ度が上がるが、75,000ドルを超えると、幸せ度は変わらなくなる。
なんと、75,000ドルでも、100億ドルでも、変わらない。
 
え~っ、そんなことが!?(*_*;
 
だから、日本円で750万円を超えたら、人のために使う方が幸せになれるそう。
 
(この実験結果をもとに、アメリカのあるCEOは、自分の年収を100万ドルから7万ドルに下げ、全社員の給料を7万ドル以上に統一したそうです!)
 
   ~つづく~