WANTの人生、MUSTの人生
長女にはありがちのことだけれど、若いころは無意識に、親や世間の期待に添おうとしていて、自分が何をしたいのかわからなくなっていた。
‘ちゃんとした’勤め先を見つけなくてはいけない。
‘ちゃんとした’結婚相手を得なくてはいけない。
と、思っていた。
つまり、“I MUST 〇〇”という感覚の中で生きていた。
そのころは、生きているのがつらかった。
「空が落ちてきて、一瞬で消滅できればな~」
なんて願っていた。
今なら、わかる。
MUSTのことだけしていると、人生がつらくなっていく。
まあ、自分で決めたことで、自分が勝手につらくなるだけなら、自業自得。
でも、ストレスで病気にでもなったら、まわりに迷惑な存在となる。
(私は若いころ、病気がちだった!)
人生がつらいから、誰かに愚痴を聞いてもらいたがったり、誰かがやさしくしてくれることを求めたりすれば…まわりの人のエネルギーを奪うことはなはだしい。
それはまさに、ハリーポッターに出てくる「吸魂鬼」だ。
(私は若いころ、吸魂鬼だった!)
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10回ほど仕事を変わって、結婚も1つやめて、親の期待をことごとく裏切ってしまったが、なぜか、白黒だった人生は色つきになった。
それはもう、30年も前のことだ。
「これからは自分がしたいこと、つまり“I WANT 〇〇”のことだけをして生きよう!」
と、決めたのを覚えている。
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もちろんWANTで生きても、大きなWANTのために、小さなMUSTはたくさん生まれる。
☆たとえば…、海外ボランティアをしたい。
⇒そのためには、語学を学ばなきゃとか、お金をつくらなきゃとか。
☆たとえば…、仲のいい夫婦になりたい。
⇒そのためには時々は夫の喜ぶことをしてあげなきゃとか、私が欲しいだけの収入がない夫にイライラしないよう、ほしい金額は自分で稼がなきゃ、とか。
☆たとえば…、ビジネスを成功したい。
⇒そのためにはその分野の知識を身につけなきゃとか、勇気を出して行動をしなきゃとか。
☆たとえば…、いい親になりたい。
⇒そのためには、自分がハッピーでいて、人生って素敵なんだ、夢って叶うんだということをみせなきゃ、とか。
でも、大きなWANTがはっきりしていれば、派生するMUSTはつらくない。
なにより、だれかに押し付けられたものじゃなくて、すべて自分で選んでやっている、ということが気持ちいい。
自分で舵をとって、人生という大海原を進んでいる感覚が、わくわくする。
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WANTの人生になって、約30年ほどがすぎた。
今、朝起きるときも夜眠りにつくときも、幸せ感があるのは、もしかしたら、WANTをつらぬいてきた結果なのかもしれない…。
(佐島マリーナにて)
(葉山の海)