内発的な動機



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(世界一周の船、ピースボートを見学した。)




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(こんな椅子に座って、日がな一日海を見ていたい。)




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(ジャグジーもあちこちに。)



今年の本屋大賞が決まった!
本屋大賞の本は、いつも文句なさの面白さ。
発表がいつも楽しみだ。

今回の受賞作「鹿の王」の作者、上橋菜穂子さんは、
去年、ファンタジーノーベル賞とも言われる「国際アンデルセン賞」を受賞。

私はそれを聞いて、前作「獣の奏者」を先月、読んだばかりだった。
こちらも壮大なスケールと細部のリアリティがすごいストーリーで、
全5巻を、イッキ読みした。

「人はやはり他者を喜ばすことができたとき、
心から幸せを感じられる生き物なんだと思います。」
インタビューで著者はこう話している。

こういう人生観がお話の随所にあふれているので、
上橋さんの本は、みんなの心をとらえるのだろう。

このインタビューを聞いて、
人が何かをするときの二つの動機の話を思い出した。、
「内発的な動機」と、「外発的な動機」だ。

「内発的な動機」は、人の心の内側から自然にあふれるもので、
上橋さんが話したことと通じる。

また、やっていると純粋に「面白い」「楽しい」ということの
背後にある動機のことでもある。

内発的な動機でやることは、やる気が続き、能力も発揮できるという。

それに対して「外発的な動機」とは、
お金・物・ほめ言葉・栄光などを得るために、何かをすることだ。
こちらは息切れしやすいそうだ。

我が家に、その違いがはっきり分かる、興味深いエピソードがある。
大学生の娘の、食事作りに関することだ。

娘は美味しいものを食べることと作ることが大好き。
家で、お菓子作りや料理などに励んでいるが、アルバイトをしないので
おこずかいがたりず、いろいろと不自由していた。

「洋服代を出してあげるから、バイト代わりに、週3回家族の夕飯作らない?」
おととし、こう持ち掛け、交渉成立。
何か月かやったが、「やっぱりやめる」と、言い出した。

なぜなら、「このまま義務的にやっていると、料理が嫌いになりそうだから。」
私も身に覚えがあったので、引き止めなかった。

しかし、家族の食事作りはそれからも自発的に度々やってくれた。
その上、週3回の早朝バイトも始めた。

私は、お金より自由を求めた娘のあり方に、感動した。

今年になったら、料理をしてくれる回数がどんどん増え、ほぼ毎日になった。
しかもなんと毎回違うメニューだ。

「いろいろなレシピを試してみるのが、楽しい。」
「自分が作ったものを、家族みんなが揃って、喜んで食べるのがうれしい。」
この2つが、息切れせずに続けていられる理由らしい。

このエピソードを通し、「内発的な動機」というものの大切さを、実感している。